訪問販売に対する新たな規制

■買う気がない人に対して執拗に勧誘してはいけません
(改正)特定商取引法3条の2
(契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する勧誘の禁止等)
  1. 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売をしようとするときは、その相手方に対し、勧誘を受ける意思があることを確認するよう努めなければならない。

  2. 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。
これまで規制の対象になっていなかったのが不思議です。

先日の月曜日、久々の休日を支度で満喫している際にも、某インターネット回線業者がわがあばら屋をご訪問くださいました。
「このあたりの地域は光回線が来ているので云々」
賃貸なので光回線を引く気はない等と説明したら、素直にお帰り遊ばされました。
あの猛暑の中、外回りの営業も大変ですよね。

ここでもし、あの営業のお兄さんが執拗に勧誘を続ければ、改正法施行後は、特定商取引法違反となるわけです。

この規定に違反した業者は、主務大臣により、必要な措置をとるべきことの指示を受けることがあります(改正特定商取引法7条1項)。
(但し、この指示は業者が3条の2第2項違反をし、かつ訪問販売に係る取引の公正及び購入者等の利益が害されるおそれがあると、主務大臣が認めた場合に発せられます)
また、業者が主務大臣の指示に従わない場合等には、1年を限度に、訪問販売に関する業務の全部・一部の停止を命じられます(改正特定商取引法8条1項)。

ただ、気をつけていただきたいのは、仮に訪問販売業者の悪質な勧誘にあってしまい、相当に不愉快な目に遭わされたからといって、主務大臣がすぐさまこのような措置を講じてくれるとは限りません。
おそらく、被害が拡大し、同様の手口による被害がある程度蓄積されない限り、行政庁は動いてはくれないかもしれません。
行政に過度の期待を掛けるのではなく、クーリング・オフの行使を検討するべきでしょう。


■消費者契約法に基づいて、契約を取り消すことができるかもしれません

特定商取引法に基づくクーリング・オフは、業者からクーリング・オフが可能である旨の書面を受領した日から8日以内に行わなければなりません(特定商取引法9条)。

契約の締結から8日を経過してしまった場合であっても、購入者はその契約を取り消すことができる可能性があります。
それは、消費者契約法に次のような規定があるからです。

消費者契約法4条3項
消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、(中略)次に掲げる行為をしたことにより困惑し、それによって当該消費者契約の申込又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
  1. 当該事業者に対し、当該消費者が、その住居(中略)から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず、それらの場所から退去しないこと。
これは、業者の訪問を受けた消費者が「そんなものいらんから帰ってくれ」といったのに、帰ってくれずに居座ったので、消費者が「あぁ、これは困ったわ。帰ってもらうためにはハンコを押さないとだめなのね・・・」などとして契約を締結してしまうケースを想定すればよいでしょう。
お年寄りなどは、意外とこのような目に遭ってしまっているのではないでしょうか・・・。

この場合、消費者はいったん締結した契約を取り消すことができます。
そして、この取消権は、例えばその業者が自宅から帰ったあと6ヶ月の間、行使することができます。
クーリング・オフの8日間に比べて随分の長期間にわたり認められているのですね。

以上、消費者視点から説明してきましたが、企業にとって見れば、直接訪問して販売を促進する方法が割に合わないものになって来ているといえるかもしれません。

政府は、最近やたらと「消費者保護」ということを錦の御旗のごとくかざして、企業に対して様々な規制を行ってきています。
これは、われわれ消費者の立場に立ってみれば、一見素晴らしいことのようにも思えます。
もちろん、一部の悪徳業者のために多くの人が買いたくもないものを買わされるという被害が発生しているのも事実かも知れません。

でもね

企業との関係で消費者を保護すると言うことは、とりもなおさず企業に対する規制の強化だと思うのですよ。
それは、おそらく企業に高コスト体質を強いる結果になるでしょう。
そこでかかるコストは、おそらくその企業が提供する商品やサービスの価格に上乗せされるはずです(そうでなければ、人件費などの他のコストの削減=採用減などに向かうはずです)。

果たして消費者保護だといえば、手放しで喜んで良いものかどうかは、もう一度冷静に考え直してみなければならないと思います。


2008年特定商取引法の改正点(1) 2008/06/19に引き続き、特定商取引法の改正点をまとめておきます。

インターネットを通じたビジネスにとっても重要な法律ですので、少し詳しめに見ていきます。

特定商取引法の適用対象拡大
訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売について規制対象となる商品及び役務を政令で指定する方式を改め、原則全ての商品及び役務を規制対象とするものとすること。
特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案要綱(PDF)
今回の特定商取引法の改正により、訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売の規制対象となる商品等(商品・役務・権利)の制限が撤廃されました。

この改正以前の特定商取引法(この時点での現行法)では、政令で指定する商品や役務(サービスのこと)を扱う訪問販売などについてだけ、特定商取引法の規制が課せられていました。
具体的には、特定商取引に関する法律施行令別表1〜3に掲げられている商品やサービス等の訪問販売などに限って、特定商取引法が適用されていました。

ここで指定されている商品・サービスは多岐にわたります。
例えば商品については、58もの類型が指定されており(貴金属などは当然はいっていますが、「かつら」や「コンドーム」などもあります)問題となりそうなものはだいたい指定商品に該当します。

いずれにせよ、ここに掲げられていない商品やサービス(新手のものでしょうか)を訪問販売の方法で勧誘しても、消費者はクーリング・オフなどをすることができず保護されないことを意味します。
商品はともかく、サービスに関しては日々新たなものが編み出されているわけですが、訪問販売のように消費者の自宅を訪問するような方法でサービスの勧誘をする場合には、やはり一定の規制が必要になるものと思われます。
特に例えば、法の規制の網をかいくぐるために、特定商取引法で規制されないサービスなどを編み出す業者などについては、やはり規制の必要性が高いといえそうです。

おそらくそのような背景から、規制対象として政令で指定するのではなく、原則としてすべての商品・サービスなどを規制対象とすることとなったと思われます。

改正後でも特定商取引法が適用されない商品やサービス

ただし、これには重要な例外が定められています。
他の法律の規定によって訪問販売、通信販売又は電話勧誘販売について購入者等の利益を保護することができると認められる販売又は役務の提供等について適用除外を定めるほか、適用除外に係る所要の規定を整備すること。
特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案要綱(PDF)
具体的には、改正特定商取引法26条各号に掲げるものが適用除外となります。

例えば、同条3項には、次のような規定がなされています。
第九条及び第二十四条の規定は、次の販売又は役務の提供で訪問販売又は電話勧誘販売に該当するものについては、適用しない。
一 その販売条件又は役務の提供条件についての交渉が、販売業者又は役務提供事業者と購入者又は役務の提供を受ける者との間で相当の期間にわたり行われることが通常の取引の態様である商品又は役務として政令で定めるものの販売又は提供(以下略)
9条と24条の規定は、いわゆるクーリング・オフについての規定です。

つまり、事業者と購入者がじっくりと時間をかけて購入の是非を検討しあう取引(であって政令で定めるもの)であれば、購入者はクーリング・オフを行使できないと定めています。
具体的には、ディーラーから新車を購入する取引などがあたるでしょう。

何が具体的な適用除外商品・サービス等であるかは、まだ改正法に則った政令が制定されていないようなので明らかではありません。
企業としては「どのような勧誘方法が規制対象となるかわからない!」と憤るのではなく、規制対象となるかどうかにかかわらず、消費者視点での営業を心がけていくことが必要なのかもしれません。

提供しようとしている商品やサービスを末永く愛していただくには、やはり金儲け優先という姿勢では足下をすくわれることにもなりますよということですね。


環境問題は、われわれが解決しなければならないもっとも大きな課題の1つだと思います。

でも、なんだか国を挙げて「国民1人1人がエコの意識を高めるべき」といったMicroな視点からの議論が多すぎて・・・。

こういった精神論ではなく、エコを推進することが利益につながるといった仕組みが必要なんじゃないかと、ずいぶん前から考えていました。

そこでこの記事ですよ。

家庭向けに補助金検討=太陽光発電の普及促進−経産省
経済産業省は24日、総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の部会で、地球温暖化対策として、二酸化炭素(CO 2)を排出しない太陽光発電の普及促進に取り組む方針を示した。一般家庭が設備を取り付ける際、費用を一部補助することなどを検討。現在は1戸当たり約230万円に上る導入費用を、3―5年以内に半額程度まで抑えたい考えだ。
Yahooニュース(時事通信)2008年6月24日

例えば、住宅の壁や屋根にソーラー発電できる素材を導入し、そこで発電した電気を地下にあるバッテリーかなにかに蓄積できればよくはないですか?
家庭の電気代がゼロになるだけではなく、余剰電力を向上や電力会社に売却することでちょっとした収益も図れるとか。

さらに、電気自動車もこのバッテリーの電気を使って充電できればいいですよねぇ。
この充電も、電気自動車にプラグをさして充電なんて野暮ったいことはせず、車庫に駐車するだけで充電できる仕組みがいいです。
SUICAやPASUMOで使われている技術を応用すれば、できないことはないでしょう。

ただ、これやっちゃうと電力会社は電力の供給以外のドメインを開拓しなきゃならなくなるでしょうねぇ。
あと、ガソリンを扱う商社にとってもよろしくないかも。
意外と、本当にエコに役立つ仕組みを阻害しているのは・・・政府や企業なのかも・・・考えすぎですかね。

エコ関連でもうひとつ。

世界最大級の太陽光発電「メガソーラー発電計画」をシャープ・関西電力・堺市が共同で推進
堺市、関西電力株式会社、シャープ株式会社は本日、大阪府堺市臨海部におけるメガソーラー発電計画を共同で推進することに合意したとのこと。これは薄膜シリコン太陽電池モジュールを採用し、合計で約28MW(約2.8万kW)となり、世界最大級の太陽光発電規模だそうです。
GIGAZINE 2008年6月23日
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080623_mega_solar/

こういうのも好きだなぁ。

シャープが液晶パネルの生産を亀山工場で行っている関係で、堺でこのような取り組みが可能になったんでしょうかね。

これを応用すれば、例えば途上国での発電施設として利用できませんかね?
アフリカとか南米とか、赤道直下の国々では、太陽光が大きな資源として利用可能でしょう。

ボクたち1人1人が実践するエコもいいですけど、こういうダイナミックな取り組みを促進していって欲しいモノです。


先日、気分を変えるためにブログのテンプレートを変更してみました。

以前に比べ、随分とカラフルな印象になったかと思いますw

このテンプレートは序曲さんのところからお借りして使っています。
少し手を加えましたけど・・・。

前から、左にメインカラム、右2列にプラグイン用のサブカラムをいう構成の3カラムテンプレートはないものかと探していたところなので、とても気に入っています。

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    通勤通学のお供に、このブログをどうぞw

基本的に、しばらくこのテンプレートで運用してみようと思っています。
若干、メインカラム内の文字(本文)が小さいかなぁー、と思っていますので、ここはそのうち変えるかもしれません。

というわけで、これからもどうぞよろしくです。


6月13日のエントリ(悪質商法の規制厳しく 改正特商法・割販法が成立 (06/13))で、特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律が、2008年6月11日に成立しその大部分が2009年12月までには施行されることをご紹介しました。

ここでは、まず特定商取引法の大枠を説明した上で、主な改正点に触れたいと思います。

特定商取引法(特定商取引に関する法律)といのは、訪問販売や通信販売など、特定の商取引について規制する法律です。

特定商取引法が規制する特定の商取引とは、主に次の5種類の商取引を指します。

■特定商取引法が規制する取引形態
  • 訪問販売
  • 消費者の自宅などに訪問して商品などの勧誘をする取引形態です。週末に自宅でくつろいでいるとたまにくるというアレです。

  • 通信販売
  • テレビCMとか雑誌・郵便なんかを通じて商品などの勧誘をする取引形態です。ネットショップなどもこれに当たります。

  • 電話勧誘販売
  • 電話をかけてきて商品の勧誘をする取引形態です。20歳を過ぎた頃、自宅の電話なんかによくかかってきたアレです。

  • 業務提供誘引販売取引
  • 例えば、「自宅にいながら簡単な作業をするだけで副収入が得られます」なんていう誘い文句に乗ったら、作業をするための機械を買わされたなんていう取引形態です。「内職・モニター商法」なんていわれたりもするようです。

  • 特定継続的役務提供
  • 一定の期間にわたってサービスが受けられる取引形態のうち、政令で指定されているものです。例えば、エステティックとか語学教室、学習塾、結婚情報サービスなんかがこれに当たります(すべてじゃありませんが)。

そして、このような規制を盛り込む特定商取引法の主な改正点は以下の通りです。

  • 原則、すべての商品・サービスが規制の対象となる
  • 改正前の特定商取引法が適用されるのは、法令で定められた商品やサービスに限定されていました。しかし、今回の改正により、原則としてすべての商品・サービスを規制の対象とした上で、一定の商品・サービス(生鮮食品や葬儀が例示されています)にはクーリング・オフの適用を排除するという形となりました。

  • 訪問販売規制の強化
  • 例えば、訪問販売において強引に勧誘し、消費者が必要な量を超える膨大な量の商品を購入させた場合、契約締結後1年間、その契約を解除することができるとされました。

  • インターネット取引規制の強化
  • 広告に、返品の可否やその条件を明示してない場合は、8日間に限り契約を解除した上で返品ができるようになるようです(但し、送料は購入者負担)。

ネットショップを運営している方がいらっしゃると思いますが、インターネットを利用したネットショップは、特定商取引法上の通信販売に該当すると言われています。

特定商取引法の改正により、新たにどのような規制がなされるのかはしっかりと把握しておいた方がよいでしょう。個人事業主や法務担当部署を置かない企業では、法務は二の次・三の次とされがちですが、ビジネスをする以上、法務には一定の注意を払ってください。

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プロフィール

Author:瀧本 宏隆
30代 東京某所に勤務(研究職)
小さなシンクタンク(独立系)にてコンサルティング、社内教育プラン策定・実施、各種コンテンツの企画立案・執筆・編集など、様々な業務を行っています。
著作権、機密情報管理などを主な専門領域としています(が、駆け出しのため勉強中)。

最近は、IT系業務のプロセス管理手法に興味あり。

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