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2008.07.22

2008年特定商取引法の改正点(3)

訪問販売に対する新たな規制

■買う気がない人に対して執拗に勧誘してはいけません
(改正)特定商取引法3条の2
(契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する勧誘の禁止等)
  1. 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売をしようとするときは、その相手方に対し、勧誘を受ける意思があることを確認するよう努めなければならない。

  2. 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。
これまで規制の対象になっていなかったのが不思議です。

先日の月曜日、久々の休日を支度で満喫している際にも、某インターネット回線業者がわがあばら屋をご訪問くださいました。
「このあたりの地域は光回線が来ているので云々」
賃貸なので光回線を引く気はない等と説明したら、素直にお帰り遊ばされました。
あの猛暑の中、外回りの営業も大変ですよね。

ここでもし、あの営業のお兄さんが執拗に勧誘を続ければ、改正法施行後は、特定商取引法違反となるわけです。

この規定に違反した業者は、主務大臣により、必要な措置をとるべきことの指示を受けることがあります(改正特定商取引法7条1項)。
(但し、この指示は業者が3条の2第2項違反をし、かつ訪問販売に係る取引の公正及び購入者等の利益が害されるおそれがあると、主務大臣が認めた場合に発せられます)
また、業者が主務大臣の指示に従わない場合等には、1年を限度に、訪問販売に関する業務の全部・一部の停止を命じられます(改正特定商取引法8条1項)。

ただ、気をつけていただきたいのは、仮に訪問販売業者の悪質な勧誘にあってしまい、相当に不愉快な目に遭わされたからといって、主務大臣がすぐさまこのような措置を講じてくれるとは限りません。
おそらく、被害が拡大し、同様の手口による被害がある程度蓄積されない限り、行政庁は動いてはくれないかもしれません。
行政に過度の期待を掛けるのではなく、クーリング・オフの行使を検討するべきでしょう。


■消費者契約法に基づいて、契約を取り消すことができるかもしれません

特定商取引法に基づくクーリング・オフは、業者からクーリング・オフが可能である旨の書面を受領した日から8日以内に行わなければなりません(特定商取引法9条)。

契約の締結から8日を経過してしまった場合であっても、購入者はその契約を取り消すことができる可能性があります。
それは、消費者契約法に次のような規定があるからです。

消費者契約法4条3項
消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、(中略)次に掲げる行為をしたことにより困惑し、それによって当該消費者契約の申込又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
  1. 当該事業者に対し、当該消費者が、その住居(中略)から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず、それらの場所から退去しないこと。
これは、業者の訪問を受けた消費者が「そんなものいらんから帰ってくれ」といったのに、帰ってくれずに居座ったので、消費者が「あぁ、これは困ったわ。帰ってもらうためにはハンコを押さないとだめなのね・・・」などとして契約を締結してしまうケースを想定すればよいでしょう。
お年寄りなどは、意外とこのような目に遭ってしまっているのではないでしょうか・・・。

この場合、消費者はいったん締結した契約を取り消すことができます。
そして、この取消権は、例えばその業者が自宅から帰ったあと6ヶ月の間、行使することができます。
クーリング・オフの8日間に比べて随分の長期間にわたり認められているのですね。

以上、消費者視点から説明してきましたが、企業にとって見れば、直接訪問して販売を促進する方法が割に合わないものになって来ているといえるかもしれません。

政府は、最近やたらと「消費者保護」ということを錦の御旗のごとくかざして、企業に対して様々な規制を行ってきています。
これは、われわれ消費者の立場に立ってみれば、一見素晴らしいことのようにも思えます。
もちろん、一部の悪徳業者のために多くの人が買いたくもないものを買わされるという被害が発生しているのも事実かも知れません。

でもね

企業との関係で消費者を保護すると言うことは、とりもなおさず企業に対する規制の強化だと思うのですよ。
それは、おそらく企業に高コスト体質を強いる結果になるでしょう。
そこでかかるコストは、おそらくその企業が提供する商品やサービスの価格に上乗せされるはずです(そうでなければ、人件費などの他のコストの削減=採用減などに向かうはずです)。

果たして消費者保護だといえば、手放しで喜んで良いものかどうかは、もう一度冷静に考え直してみなければならないと思います。
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2008.06.25

2008年特定商取引法の改正点(2)

2008年特定商取引法の改正点(1) 2008/06/19に引き続き、特定商取引法の改正点をまとめておきます。

インターネットを通じたビジネスにとっても重要な法律ですので、少し詳しめに見ていきます。

特定商取引法の適用対象拡大
訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売について規制対象となる商品及び役務を政令で指定する方式を改め、原則全ての商品及び役務を規制対象とするものとすること。
特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案要綱(PDF)
今回の特定商取引法の改正により、訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売の規制対象となる商品等(商品・役務・権利)の制限が撤廃されました。

この改正以前の特定商取引法(この時点での現行法)では、政令で指定する商品や役務(サービスのこと)を扱う訪問販売などについてだけ、特定商取引法の規制が課せられていました。
具体的には、特定商取引に関する法律施行令別表1~3に掲げられている商品やサービス等の訪問販売などに限って、特定商取引法が適用されていました。

ここで指定されている商品・サービスは多岐にわたります。
例えば商品については、58もの類型が指定されており(貴金属などは当然はいっていますが、「かつら」や「コンドーム」などもあります)問題となりそうなものはだいたい指定商品に該当します。

いずれにせよ、ここに掲げられていない商品やサービス(新手のものでしょうか)を訪問販売の方法で勧誘しても、消費者はクーリング・オフなどをすることができず保護されないことを意味します。
商品はともかく、サービスに関しては日々新たなものが編み出されているわけですが、訪問販売のように消費者の自宅を訪問するような方法でサービスの勧誘をする場合には、やはり一定の規制が必要になるものと思われます。
特に例えば、法の規制の網をかいくぐるために、特定商取引法で規制されないサービスなどを編み出す業者などについては、やはり規制の必要性が高いといえそうです。

おそらくそのような背景から、規制対象として政令で指定するのではなく、原則としてすべての商品・サービスなどを規制対象とすることとなったと思われます。

改正後でも特定商取引法が適用されない商品やサービス

ただし、これには重要な例外が定められています。
他の法律の規定によって訪問販売、通信販売又は電話勧誘販売について購入者等の利益を保護することができると認められる販売又は役務の提供等について適用除外を定めるほか、適用除外に係る所要の規定を整備すること。
特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案要綱(PDF)
具体的には、改正特定商取引法26条各号に掲げるものが適用除外となります。

例えば、同条3項には、次のような規定がなされています。
第九条及び第二十四条の規定は、次の販売又は役務の提供で訪問販売又は電話勧誘販売に該当するものについては、適用しない。
一 その販売条件又は役務の提供条件についての交渉が、販売業者又は役務提供事業者と購入者又は役務の提供を受ける者との間で相当の期間にわたり行われることが通常の取引の態様である商品又は役務として政令で定めるものの販売又は提供(以下略)
9条と24条の規定は、いわゆるクーリング・オフについての規定です。

つまり、事業者と購入者がじっくりと時間をかけて購入の是非を検討しあう取引(であって政令で定めるもの)であれば、購入者はクーリング・オフを行使できないと定めています。
具体的には、ディーラーから新車を購入する取引などがあたるでしょう。

何が具体的な適用除外商品・サービス等であるかは、まだ改正法に則った政令が制定されていないようなので明らかではありません。
企業としては「どのような勧誘方法が規制対象となるかわからない!」と憤るのではなく、規制対象となるかどうかにかかわらず、消費者視点での営業を心がけていくことが必要なのかもしれません。

提供しようとしている商品やサービスを末永く愛していただくには、やはり金儲け優先という姿勢では足下をすくわれることにもなりますよということですね。

2008.06.19

2008年特定商取引法の改正点(1)

6月13日のエントリ(悪質商法の規制厳しく 改正特商法・割販法が成立 (06/13))で、特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律が、2008年6月11日に成立しその大部分が2009年12月までには施行されることをご紹介しました。

ここでは、まず特定商取引法の大枠を説明した上で、主な改正点に触れたいと思います。

特定商取引法(特定商取引に関する法律)といのは、訪問販売や通信販売など、特定の商取引について規制する法律です。

特定商取引法が規制する特定の商取引とは、主に次の5種類の商取引を指します。

■特定商取引法が規制する取引形態
  • 訪問販売
  • 消費者の自宅などに訪問して商品などの勧誘をする取引形態です。週末に自宅でくつろいでいるとたまにくるというアレです。

  • 通信販売
  • テレビCMとか雑誌・郵便なんかを通じて商品などの勧誘をする取引形態です。ネットショップなどもこれに当たります。

  • 電話勧誘販売
  • 電話をかけてきて商品の勧誘をする取引形態です。20歳を過ぎた頃、自宅の電話なんかによくかかってきたアレです。

  • 業務提供誘引販売取引
  • 例えば、「自宅にいながら簡単な作業をするだけで副収入が得られます」なんていう誘い文句に乗ったら、作業をするための機械を買わされたなんていう取引形態です。「内職・モニター商法」なんていわれたりもするようです。

  • 特定継続的役務提供
  • 一定の期間にわたってサービスが受けられる取引形態のうち、政令で指定されているものです。例えば、エステティックとか語学教室、学習塾、結婚情報サービスなんかがこれに当たります(すべてじゃありませんが)。

そして、このような規制を盛り込む特定商取引法の主な改正点は以下の通りです。

  • 原則、すべての商品・サービスが規制の対象となる
  • 改正前の特定商取引法が適用されるのは、法令で定められた商品やサービスに限定されていました。しかし、今回の改正により、原則としてすべての商品・サービスを規制の対象とした上で、一定の商品・サービス(生鮮食品や葬儀が例示されています)にはクーリング・オフの適用を排除するという形となりました。

  • 訪問販売規制の強化
  • 例えば、訪問販売において強引に勧誘し、消費者が必要な量を超える膨大な量の商品を購入させた場合、契約締結後1年間、その契約を解除することができるとされました。

  • インターネット取引規制の強化
  • 広告に、返品の可否やその条件を明示してない場合は、8日間に限り契約を解除した上で返品ができるようになるようです(但し、送料は購入者負担)。

ネットショップを運営している方がいらっしゃると思いますが、インターネットを利用したネットショップは、特定商取引法上の通信販売に該当すると言われています。

特定商取引法の改正により、新たにどのような規制がなされるのかはしっかりと把握しておいた方がよいでしょう。個人事業主や法務担当部署を置かない企業では、法務は二の次・三の次とされがちですが、ビジネスをする以上、法務には一定の注意を払ってください。

2008.06.13

悪質商法の規制厳しく 改正特商法・割販法が成立

以前、2008年に改正が予定されるビジネス関連法律一覧というエントリでご紹介した通り、特定商取引法と割賦販売法の改正法が成立しました。
悪質商法の規制厳しく 改正特商法・割販法が成立
悪質な訪問販売などを規制する改正特定商取引法と改正割賦販売法が11日成立した。しつこい勧誘の禁止など販売ルールを厳しくするほか、販売方法に問題があれば消費者は既に払った代金の返還を求められるようになる。高齢者に高額商品を売りつけるといったトラブルが増加しており、訪問販売・信販などの業界団体は被害者救済や悪質業者排除へ動き出した。
NIKKEI NET2008年6月12日

この改正法の詳細については、いずれこのブログでご紹介したいと思いますが(いつになるやら・・)、ここではこの改正法の施行日を確認したいと思います。

特定商取引法と割賦販売法は、特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律により改正されますが、同法の附則第1条に施行日が規定されています。
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
  1. 附則第四条第十一項及び第十二項並びに附則第五条第二十九項の規定 公布の日
  2. 第一条及び附則第三条の規定 公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日
  3. 第四条の規定 公布の日から起算して二年六月を超えない範囲内において政令で定める日
  4. 附則第十一条の規定 貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律(平成十八年法律第百十五号)附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日

基本的には、この改正法が公布された日から1年6ヶ月以内の期間を政令で定めるとされています。だいたい、2009年12月までには施行されるんでしょうね。

もっとも、この条文には但書が規定されており、1条1号~4号に該当する規定は、本文で規定した日とは異なる日に施行されます。
  1. 附則第四条第十一項及び第十二項並びに附則第五条第二十九項の規定
  2. 公布の日に即日施行される部分ですが、主務大臣が特定商取引法等の適用を除外する商品等を決めるための会議開催について規定しています。

  3. 第一条及び附則第三条の規定
  4. 改正法1条は、迷惑メールに対する規制関連の改正を規定しています。公布の日から起算して6ヶ月を超えない範囲で施行日が決められるとあるので、今年中には施行されるのでしょう。

  5. 第四条の規定
  6. これは施行日について、ほかのものよりも期限が先に設定されています。公布から2年6ヶ月を超えない範囲ですから、最長で2010年12月まで施行されない可能性があります。改正法4条は、いわゆるクレジットカード発行会社に対する規制を定めています。

  7. 附則第十一条の規定
  8. これは貸金業法の改正との調整規定ですね。


(蛇足)
細かなことはさておき、この改正によってまた消費者に対する保護が厚くなる反面、企業はより多くの手当をしなければならなくなるわけです。
必ずそうなるというわけでもないのでしょうが、企業の側のコストが上がれば、その増加分は企業が提供する商品やサービスの価格に転嫁されるか、他のコスト(従業員の給料など)の減少によりまかなわれるわけですよね。

なんだか、こういった「お上頼み」の消費者保護ってどうなんだろうなぁ・・・と考えてしまいます。
別のエントリでも書こうと思っていますが、福田総理が推し進めている「消費者庁」だって、結局省庁が増えるわけですよね。そこで必要となるコストは、巡りめぐってわれわれが支払わなければならないわけで・・・。
なんだかよくない循環だなと思ってしまいます。

2008.05.05

船場吉兆、食べ残し料理を別の客に

やっちまったなー!ってのが、この報道に接したときの最初の印象です。
次に脳裏によぎったのが、「これでもう、再起不能かもしれない」という思いです。

皆さんは、どんな印象をもたれますか?
船場吉兆、食べ残し料理を別の客に
牛肉の産地偽装や総菜の不正表示が相次いで発覚した高級料亭「船場吉兆」(大阪市中央区)=民事再生手続き中=は2日、昨年11月の営業休止前まで、本店の料亭で客の食べ残した食事を別の客に再び出していたことを明らかにした。
asahi.com2008年5月3日

残飯の使い回しは昨年11月の営業休止以前に行われていたものである

この記事を読む上で注意しなければならないのは、食べ残し料理を使いまわしていたのは、今年1月の営業再開後ではなく、昨年11月の営業休止前であるということでしょうか。

もちろん、どの時期に行われたのであっても食べ残しの使い回しは、飲食店(まして一流料亭とされている船場吉兆では言語道断ですが)で行われるべきものではありません。
しかし、不祥事がどの時点でなされたものであるかは重要だと思われます。

仮に使い回しが営業再開後になされていたのだとすれば・・・

改善の余地なし ⇒ 存在する意味なし ⇒ 廃業

という流れが当然に想定されますが、そうでないとすれば、必ずしも当然には上記のような流れにはならないんじゃないかと。
ですから、「今年1月の営業再開後はしていない」という船場吉兆側のコメントを信じるとすれば、今回報道された残飯の使いまわしは、昨年11月の営業休止前になされていたものであることを確認しておきたいと思います。

なぜ今になって明らかにされたのか

asahi.comの報道によれば、今回の不祥事は船場吉兆によって明らかにされたとなっています。

なぜ、今頃?

さっぱりわかりません。

企業のコンプライアンスの中には、クライシスコミュニケーションという考え方があるのですが(参考:組織のためのクライシス・コミュニケーション)、今回の不祥事の公表は最悪のタイミングといえるんじゃないでしょうか。

どんな事情があったかはわかりませんが、今このような報道がなされたら、残飯の使いまわしが最近行われたのだという誤解を生むことは間違いありません(現に、わたしは当初そのように誤解していました)。

非難が渦巻く中で、自己に不都合な事実を自ら表明するということは、感情としては難しい(できればやりたくない)ことかもしれませんが、コンプライアンスの観点からは、むしろ再生のための好機と捉えて積極的に開示していくことが合理的だと思います。
消費者の不信は、企業の隠蔽体質への疑いから拡大していくことが多いのですから。

このブログの「船場吉兆」を含む記事

2008.05.03

公正取引委員会、JASRACに立ち入り検査 著作権管理市場を独占の疑い

もう、ずいぶん前のニュースになってしまいますが、JASRAC(日本音楽著作権協会)が、私的独占の疑いがあるとして公正取引委員会の立入検査を受けたという報道がありました。
公正取引委員会、JASRACに立ち入り検査--著作権管理市場を独占の疑い
公正取引委員会は4月23日、独占禁止法違反の疑いで日本音楽著作権協会(JASRAC)に立ち入り検査した。著作権管理市場への新規参入を妨げた疑いがもたれている。
CNET Japan2008年4月23日

ことの詳細については、asahi.comの次の記事に掲載されていました(NET上では既に削除済み)
JASRACは、NHKや民放各局が番組内で流す楽曲の使用料について、流した回数や時間ごとに計算するのではなく、各放送局の年間放送事業収入に1.5%を乗じた金額を放送使用料として徴収する「包括契約」という契約形態をとっている。(中略)
関係者などによると、新規事業者は楽曲が使用されるごとに支払う個別処理方式での契約だったが、JASRACが包括契約方式をとってきたため、放送局は新たなコスト発生を嫌って新規事業者の管理楽曲の使用を控え、作曲家など権利者も新規事業者への楽曲の管理委託をとりやめるなどするため、新規のライバル社の参入を困難にしている疑いがあるという。
asahi.com2008年4月23日

■事案のポイント
  • JASRACは音楽著作権の管理事業という市場において高いシェアを獲得している。
  • JASRACと放送局との間で楽曲使用料に関する包括契約を締結している。
  • この包括契約により放送局側はJASRACの管理楽曲を使い放題。(←いわば、定額制使い放題形式)
  • JASRAC以外の音楽著作権管理事業者は放送局が使用する楽曲について、使用されるごとに支払う個別処理方式による契約。(←いわば、従量課金)
  • 放送局側は、個別の使用許諾の手間を回避するためJASRAC管理楽曲のみを使用する傾向が顕著(←JASRACウマー)
  • JASRAC以外の音楽著作権管理事業者が管理する楽曲は放送に使われない傾向が発生
  • 楽曲の著作権者は、なるべく使ってもらえるJASRACに著作権管理を委託する傾向(←JASRACウマー)
  • JASRAC以外の音楽著作権管理事業者は管理楽曲の使用契約を取りにくくなり、楽曲の管理を受託しにくくなる(←涙目)

このような事実の積み重ねにより、JASRACの音楽著作権管理市場における独占的状態が維持強化されるとともに、多の管理事業者が著作権管理市場から閉め出されているのではないかという疑いがかかったと言うことですね。

2008.04.30

管理の徹底、全証券会社に要請…インサイダー事件で金融庁

2008年4月22日に報道された野村證券社員によるインサイダー取引事件(野村証券を調査 30歳中国籍社員にインサイダー取引容疑 MSN産経ニュース)に関連して、金融庁が全証券会社に内部管理の徹底を要請したようです。
管理の徹底、全証券会社に要請…インサイダー事件で金融庁
野村証券元社員らによるインサイダー取引事件を受け、金融庁は28日、国内の全証券会社約300社に対し、内部管理の徹底を文書で要請した。
2008年4月28日20時04分 読売新聞

証券の取引を本業とする証券会社の社員によるインサイダー取引であって、世間からの反発も相当なものになるだろうと予想していました。

案の定というか、報道機関は筆鋒鋭く野村證券を批判しているようですね。例えば・・・
【夕刊キャスター】野村は事件を矮小化するな
またも繰り返されたインサイダー取引、今回は業界最大手の野村が舞台だった。海外の投資家が日本の株式市場へ不信感を募らせるのは必至で、国内の投資家からも相場低迷の時期だけに強い批判が出ている。
野村は個人の犯罪として事件を矮小(わいしょう)化しようとしているが、中枢部門での不正行為は会社全体の管理体制の不備が原因ではないか。
2008年4月24日Yahooニュース

確かに、日本の証券(株式)市場への信頼は相当揺らぐことになるのかも知れません。

それでは、企業としてはどのような管理体制を敷けば、このようなインサイダー取引事件を防止できるのでしょうか?

先にご紹介した読売新聞の記事(管理の徹底、全証券会社に要請…インサイダー事件で金融庁)によれば、金融庁が証券会社に要請したのは次の諸点です。
文書は、<1>法人関係情報を入手できる役職員による株取引の実態<2>社内の情報管理体制<3>役職員の株取引に関する社内規則の内容<4>法令順守の徹底のための研修の実施<5>類似事案が発生しないための措置――の5点について、社内の態勢を調べ、必要な対策を取るよう求めている。

金融庁がこれらの措置を証券会社に求めるのは簡単でしょうけど、求められた企業は対応に困るんじゃないかな?と思いました。

上記<2><3><4>あたりは、企業としても対応しやすいかもしれません。
でも、<1>の役職員による株取引の実態を100%正確かつ完全に調べるのって不可能じゃないですか?
基本的には面談などを通じて、個別に聞き取り調査をすることになるのでしょうが、そこで得られるのは各役職員の「自己申告」ベースの調査結果ですよね。それを超えて「自白の強要」のようなことを企業がその従業員に行うのって可能なんでしょうか?

さらに、<5>類似事案が発生しないための措置なんて・・・具体的にどうすれば類似時間の発生を防止できるのか、私にはまったくイメージできません。

この点、私が購読しているビジネス法務の部屋でtoshiさんが同趣旨のエントリをされていました。
野村證券インサイダー事件と内部統制の限界
一般の上場企業の場合でしたら、社員教育と情報管理体制を改善することによってインサイダーリスクはかなり低減できると思いますが、NHKさんとか、公認会計士さんとか、企業情報印刷会社さん、そして証券会社さんなどは、どう考えても、企業情報に触れる社員の数を減らすことはできないわけでして、結局のところ、社員の倫理観とか、厳罰による威嚇などによって統制するしか方法がないのでは、と考えてしまいます。


そう、企業としては倫理観を高めたり、インサイダー取引によって個人が被るリスクを周知させるための研修プログラムを導入するなどの方法ぐらいしかないんじゃないかなぁ。

普通の規範意識を持った人が合理的に考えたら、インサイダー取引が判明して被る損失、特に刑事責任とその取引によって得られる金銭を天秤にかけたらとてもインサイダー取引を行おうという気にはならないと思うんですがね。

このあたり、どうなんでしょうかね?
証券会社にお勤めの方に実際にきいてみたいところではあります。

2008.04.10

2008年に改正が予定されるビジネス関連法律一覧

いつかまとめなければと思いつつできなかったのですが、ようやく・・・

今年の1月から開会されている通常国会(第169国会)に提出されている法案のうち、企業経営者やビジネスパーソンであれば、是非とも押さえておきたい改正法をまとめました。

このエントリは、かなりの長文になっている(いつもですが汗)のに加え、法律特有の回りくどい言い回しが散見されるモノになっています。
なるべく読みやすい文章・表現にしたつもりですが、取っつきにくい印象をお持ちになるかも知れません・・・(私の不徳の致すところです・・)。

したがって、時間のない方や法律の嫌いな方(笑)などは、すべてを読むのではなく、見出しや太字になっている箇所だけを斜め読みしていただくとよいかも知れません。

  • 迷惑メールの防止関連

  • 私もさんざん悩まされていましたが、いわゆる迷惑メールの防止のために法改正がなされるようです。

    特定電子メールの送信の適正化に関する法律の一部を改正する法律案の概要(総務省資料:PDF)
    この件については、迷惑広告メール送信を全面禁止・総務省方針のエントリもご参照ください。

    1. 広告宣伝メールの送信は、原則として予め同意した者にしか送ってはいけないこととされる。
    2. 規制強化
    3. これは、迷惑メールを送った企業に対する罰金を現行の100万円以下から3000万円以下に引き上げること、偽の送信者情報を使って迷惑メールを送っている者に対しプロバイダがサービスの提供を拒否できるようにすること、プロバイダに違反者の契約者情報を提供するよう求めることができることなどが盛り込まれています。

    その他、海外から発信される迷惑メールについては規制が及ばないと考えられていましたが、今回の改正で、海外初国内着の電子メールが規制の対象となることが明確化されるようです。

  • 消費者保護関連

    • 適格消費者団体訴訟制度の拡大

    一定の要件を充たしたNPO法人などの団体が、消費者に代わって不適切な勧誘を行う事業者を訴えることができる制度(適格消費者団体訴訟制度)の適用範囲が拡大しました。

    これまでは、消費者契約法に違反する事業者を相手にできるだけでしたが、この法改正によって景品表示法及び特定商取引法違反についても適格消費者団体訴訟が可能となります。

    消費者契約法等の一部を改正する法律案の概要(内閣府資料:PDF)

  • 訪問販売に対する規制の強化等

  • 特定商取引法や割賦販売法という法律は、このブログでも何度か取り上げたことがありますが、これらの法律が改正になり、いわゆる悪徳業者が商売をしにくくなるようですw

    特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案(経済産業省資料:PDF)
    また、この点については経産省、悪徳商法対策を強化・クーリングオフ、全商品を対象にのエントリもご参照ください。

    • 原則、すべての商品・サービスが規制の対象となる
    • 現行法では、これらの法律の適用があるのは法令で定められた商品やサービスに限定されていました。なんでもかんでもクーリング・オフが認められていたわけではないんですね。
      これを改正法は、原則としてすべての商品・サービスを規制の対象とした上で、一定の商品・サービスにはクーリング・オフの適用を排除するという形になります。
    • 訪問販売規制の強化
    • 例えば、訪問販売において強引に勧誘し、消費者が必要な量を超える膨大な量の商品を購入させた場合、契約締結後1年間、その契約を解除することができるようになるようです。
    • クレジット規制の強化
    • インターネット取引規制の強化
    • 広告に、返品の可否やその条件を明示してない場合は、8日間に限り契約を解除した上で返品ができるようになるようです(但し、送料は購入者負担)。また、上記の迷惑メールに対する規制と同様の規制が特定商取引法にも規定されるようです。

  • 金融商品取引法

  • 金融機関で働く方々や金融取引を行っている人は注目しておいた方がよいかも知れません。
    多様な資産運用・調達機会の提供とか、インサイダー取引などにおける課徴金の増額といった改正法の骨子が公表されているのですが、私の勉強不足で今ひとつ改正の方向性がイメージできません・・・。
    ですから、とりあえず項目として挙げるだけにとどめたいと思います。

    金融商品取引法等の一部を改正する法律案の概要(金融庁資料:PDF)
    また、NHKインサイダー 来週処分勧告 課徴金来春2倍へのエントリもご参照ください。

  • 独占禁止法等

  • 独占禁止法の改正については、昨年ニュースとして報道されるたびにエントリを書いてきました(2008年独占禁止法改正のまとめ)。そちらをご覧いただければと思います。

    「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律及び不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案」の国会提出について(公正取引委員会資料:PDF)

  • 特許法などの知的財産関連法

  • 工業製品を製造している企業の研究開発を行っている人や知的財産管理を担当している人は注目すべき法改正です。
    特許法、実用新案法、意匠法、商標法及び工業所有権に関する手続等の特例に関する法律の改正が予定されています。

    特許法等の一部を改正する法律案について(特許庁資料:PDF)

    改正の大きな柱は次の5点です。
    ここで掲げている見出しを見て、「何を言ってるのかサッパリわからん」という人は読み飛ばしていただいても宜しいかと思います。
    1. 通常実施権等登録制度の見直し(特・実)
    2. 不服審判請求期間の見直し(特・意・商)
    3. 優先権書類の電子的交換の対象国の拡大(特・実)
    4. 特許・商標関係料金の引き下げ(特・商)
    5. 料金納付の口座振替制度の導入(工業所有権特例)

  • 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案

  • 企業経営者や親が会社の社長であるという方は、一応知っておいた方がよいかもしれません。

    中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案(経済産業省資料:PDF)

    この法律ができることによって、自分が経営する会社を次の世代に譲りやすくすることができます。
    但し、会社経営にまったくかかわらない遺族は少し損をすることになるかも知れません(何をもって「損」というかは一概には判断出ませんが)。


2008.04.09

インサイダー取引のNHK記者ら3人、懲戒免職へ

NHK(元)記者らによるインサイダー取引事件について、動きがありましたのでご紹介。

インサイダー取引のNHK記者ら3人、懲戒免職へ
記者ら3人によるインサイダー取引問題で、NHKは3日、問題の株取引を行った職員3人を懲戒免職にする方針を決めた。同日午後に発表する。
 記者によるインサイダー取引を、証券取引等監視委員会が初めて認定したケース。当時の橋本元一会長をはじめNHKトップらの引責辞任に発展した問題は、当事者に対して最も重い処分となった。
MSN産経ニュース2008年4月3日

この事件については、すでにNHKインサイダー 来週処分勧告 課徴金来春2倍へNHK3人のインサイダー 課徴金49万円勧告 監視委という2つのエントリで取り上げたことがありました。

インサイダー取引ってなんぞ?という方は、NHKインサイダー 来週処分勧告 課徴金来春2倍へのエントリに、その概略を書きましたので、読んでみてください。

企業人としては、最も重い処分である懲戒免職がくだされ、報道関係者には高い倫理性が求められることが示されたといえます。
しかもこのケースでは、先月(3月)6日に既に懲戒求職及び賃金4割カットという措置が下されていたようです。

NHKのインサイダー取引3人を懲戒休職、賃金4割カット
NHKの福地茂雄会長は6日の定例記者会見で、インサイダー取引事件を起こした記者ら3人を、今月5日付で懲戒休職の措置にしたことを明らかにした。
懲戒処分を前提にした就業規則上の措置で、賃金が40%カットされる。原因究明を進めている第三者委員会の結論が出た後、正式に処分する。YOMIURI ONLINE2008年3月6日

この報道にもある通り、まずは懲戒求職+賃金4割カットという暫定措置がくだされ、今回の懲戒免職が正式処分となったものと思われます。

高すぎる代償と学ぶべき教訓
この事件の当事者である元記者らは、インサイダー情報に基づく株取引によって、10万~50万の利益を得ていたようですが、その代償として課徴金の納付を命じられ(行政処分)、職を失うこととなりました。何とも高すぎる代償となってしまったものです。
これで、さらに刑事責任(5年以下の懲役または500万円以下の罰金)をも問われることとなると、かなり大きな痛手となるでしょう・・・。

本業とは別に、金融資産による収益によって人生を豊かにしたいという欲求は、否定されるべきものではないと思います。
感覚的には、金の亡者のようになり金儲けを至上のこととするのはなんとなく卑しい感じがすることも否定できませんが、本音では、誰だってお金はないよりあった方がいいと考えるんじゃないでしょうか。少なくとも私は、金融資産の構築や株式取引をすることに賛成です(まだしてませんがw)。

ですから、このようなインサイダー取引事件は、どうも人ごとには思えないのですね。
いずれは自分にも降りかかってくるリスクではないかと。

そういう意味では、株式取引には大損をするリスクのほかに、人生を棒に振るリスクも潜んでいると思った方がいいのかも知れません。

インサイダー取引の規制について学ぶ
さてそこで、そのような山っ気のある方(私を含むw)としては、やっぱり金融や経済情勢に関する知識のほかに、我が身に降りかかってくるかも知れない法務リスクについての知識を得なければならないと思います。

そのために、このブログを読んでいただくのもよいですし(と、宣伝してみるw)、少し前のエントリでご紹介したことのあるビジネス実務法務検定試験2級公式テキストで勉強するのも良いかも知れません。

この点に関連して、少し前のasahi.comで次のような記事が掲載されていました。
HPでインサイダー規制30分講座 東証が学習教材
東京証券取引所グループの東証自主規制法人は、個人投資家にインサイダー取引の規制を学んでもらうため、インターネット証券会社にネット上で使える学習教材を提供する。インサイダー取引に個人がかかわる事件が相次いでおり、法令順守を呼びかけるのが狙い。
教材はインサイダー取引規制のケーススタディーやポイントなどを説明するもので、学習に必要な時間は30~45分程度。
ネット証券大手のマネックス証券が顧客を対象に24日にもこの教材をホームページ上で無料で使えるようにする。個人の株式売買はネット経由が約9割を占めており、東証は他のネット証券にも活用を呼びかける考え。
asahi.com2008年3月24日

≪参考≫東京証券取引所自主規制法人 eラーニング研修サービス

ひょっとしたら、取引のある証券会社のサイトでこのコンテンツが利用できるかも知れません。
チェックしてみる価値はあるんじゃないかと思います。

2008.03.20

過度な利益追求の大きな代償【ミートホープ事件、元社長に懲役4年の実刑・札幌地裁判決】

昨年(2007年)に相次いだ一連の食品表示に関する偽装事件の発端となったミートホープ社による牛肉偽装事件がとりあえずの結末を迎えたようです。

ミートホープ事件、元社長に懲役4年の実刑・札幌地裁判決
北海道苫小牧市の食肉加工販売会社「ミートホープ」の食肉偽装事件で、不正競争防止法違反(虚偽表示)と詐欺の罪に問われた元社長、田中稔被告(69)の判決公判が19日、札幌地裁であり、嶋原文雄裁判長は懲役4年(求刑懲役6年)の実刑を言い渡した。
NIKKEI NET2008年3月19日

この件については、昨年(2007年)の10月にミートホープ社長逮捕へ 虚偽表示容疑 詐欺も立件方針というエントリでミートホープ社の社長らが立件されたという記事を紹介しました。
このエントリでは、社長の田中稔社長ばかりでなく、工場長経験者2人も立件されるとされていますが、今回の記事では社長の有罪のみが報道されています。工場長経験者であるという社員2名の判決はこれから下されるのだと思います。

容疑は不正競争防止法違反罪および詐欺罪。

詐欺罪については、詳しい説明は不要だと思います。
人をだまして不正に財産を得る行為が詐欺罪に該当します(刑法246条)。

刑法246条
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

この点は、上記記事でも報道されています。
起訴状によると、田中被告は昨年6月までの約1年間、豚や鶏などを混ぜて製造したミンチ肉を「牛100%」などと表示し、取引先十数社に計約138トンを出荷。北海道加ト吉(北海道赤平市)など3社から販売代金約3900万円をだまし取った。

ミートホープ社による食品表示偽装事件は、我々一般人の感覚からは消費者を欺く行為という感覚があるのですが、法律上は、ミートホープ社の取引先寺う北海道加ト吉を欺いてその販売代金を騙し取ったと構成されるのですね。

さらに、不正競争防止法違反罪についてNIKKEIの記事では「虚偽表示」とされていますが、以前のエントリでも触れている通り、おそらくこれは原産地等誤認惹起行為(不正競争防止法2条1項13号)に該当するものと思われます。
不正競争防止法2条1項13号
商品若しくは役務若しくはその広告若しくは取引に用いる書類若しくは通信にその商品の原産地、品質、内容、製造方法、用途若しくは数量若しくはその役務の質、内容、用途若しくは数量について誤認させるような表示をし、又はその表示をした商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供し、若しくはその表示をして役務を提供する行為

それにしても、あまりにも利益追求を追い求めすぎると、大きな代償を払わなければならないことになるのですね。
ミートホープ社の事件は、この後も末永く人々の記憶にとどめられることでしょう。

この事件について社長(及び他の経営者)が刑事責任の追及を受けることは同情の余地はありません。
しかし、経営者の指示の下に仕事をしていた多くの従業員もまた、有形無形の不利益を受け続けるのでしょう。

確かに、ミートホープ社の従業員もまた、加害者であるといえるかもしれませんが、その反面、被害者という側面も有しているような気がします。

上司の指示に基づいて業務を進めていくことは、企業が組織である以上、基本的なことではあります。
しかし、その指示が法令に違反していないのかどうかは、ここの従業員が、ある程度の知識に基づいて判断する必要があるのかもしれません。
たとえ上司の指示が絶対であったとしても、違法行為に加担した以上は、経営者とともにその責任を追及されることになるからです。

それはそれとして・・・

ミートホープ社の元従業員の方が、「ミートホープの元従業員」というレッテルを背負いながらも、力強く前進していることを示す報道がありましたのでご紹介します。
「正直コロッケ」販売へ、ミート社元従業員と大仁田さんがタッグ
食肉偽装事件で破産した北海道苫小牧市の食肉製造加工会社「ミートホープ」の元従業員5人が、大仁田厚・前参院議員と協力し、4月から、東京都内と札幌市、苫小牧市のスーパーなどで、北海道産食材を使った「正直コロッケ」を売り出す。(中略)
大仁田さんは6日、新千歳空港で記者会見し、「食品偽装問題が始まった北海道からいいものを届けることが重要」と意欲を見せた。会見に同席した元従業員の横岡リツ子さん(56)は「ミートホープの名を背負わなくてはならず、不安や怖さもあるが、新しい一歩を踏み出したい」と話していた。
YOMIURI ONLINE2008年3月6日

マイナスから再出発しなければならないハンデの大きさを抱えつつ生きていくことは大変だと思います。
でも、そのハンデに負けずにがんばって欲しいと思いますね。

ひるがえって、我々としては決して所属企業による法令違反行為に加担することがないように気をつけなければなりませんね。

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