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2007.09.27

福岡のスーパー、不当値引き要求 公取委が立ち入り

しばらく、「ニュースで学ぶビジネス法務」というテーマからは、離れたエントリが続いてしまいましたが、ここ2~3日、勉強になりそうなニュースが目白押しですね。

福岡のスーパー、不当値引き要求 公取委が立ち入り
九州北部で生鮮食品などを扱っているスーパーマーケットチェーン「マルキョウ」(本社・福岡県)の一部店舗で、優越的な地位を利用して納入業者に対し、不当に商品の値引きや返品を要求したり、従業員の派遣を求めたりした疑いがあるとして、公正取引委員会は26日、独占禁止法違反(不公正な取引方法)の疑いで、同社本社などを立ち入り検査した。(中略)
関係者によると、マルキョウの一部の店舗で納入業者に対し、安売り用商品の値引きを求めたり、不当な返品やリベートを要求したりしたほか、店内の清掃作業のため、納入業者から従業員を労働力として派遣させた疑いがもたれている。
asahi.com 2007年09月26日15時08分

この事件は、以前お伝えしたヤマダ電機のケース(「ヘルパー」に業務指示・命令、ヤマダ電機に是正指導 )と非常に似ているような気がします。
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ヤマダ電機のケースでは、家電量販店が、その優越的な地位を利用してメーカーに対して「ヘルパー」の派遣を要請していましたが、今回はスーパーマーケットと納入業者との間の行為が問題となっています。また、ヤマダ電機ケースでは、最初に労働局が違法派遣による指導をした後、公正取引委員会によって独占禁止法違反が問題となりました。
今回のマルキョウのケースでも、おそらく違法派遣の実態があったのではないかと推測されますので、これから労働局が動き出すかもしれませんね。

さてこの報道によると、今回のマルキョウのケースでは、次の行為が独占禁止法上の不公正な取引方法に該当する疑いがあるとされています。

  1. 安売り用商品の値引き要求
  2. 不当な返品要求
  3. リベート要求
  4. 納入業者から従業員を労働力として派遣させた

ひょっとしたら、これらを見てドキっとした人がいるんじゃないでしょうか?
2~3は、まぁ別として、1なんかは仕入れの担当者がある程度交渉することは十分にあり得ますよね。
具体的にどのような行為が独占禁止法に違反するんでしょうか。

この点は、公正取引委員会が平成17年11月1日に施行された「大規模小売業者による納入業者との取引における特定の不公正な取引方法」という告示(大規模小売業告示)が指定しています。
大規模小売業告示
(特定商品等の買いたたき)
4 大規模小売業者が、自己等が特売等の用に供する特定の商品について、当該商品と同種の商品に係る自己等への通常の納入価格に比べて著しく低い価格を定め、当該価格をもって納入業者に納入させること。

なかなか難しい表現ですね。

おそらく問題は通常の納入価格に比べて「著しく低い価格」かどうかだと思われます。
この点について公正取引委員会は、『「著しく低い価格」であるかどうかについては,通常の納入価格との乖離の状況を中心に判断されるほか,納入業者の仕入コスト,他社の納入価格等も勘案して判断されることとなる。』としています。また、ボリュームディスカウントなど、合理的な理由に基づく低価格納入のようなケースは、この特定商品等の買いたたきには該当しないとしています。

そもそも、小売業者であればなんでも規制の対象となるわけではありません。
大規模小売業告示による規制の対象となるのは、(1)大規模小売業者と(2)納入業者との間の商品納入に関する取引です。
それぞれの意味を確認します。

  • 大規模小売業者
  • 一般消費者により日常使用される商品の小売業者で、次のいずれかに該当するもの
    • 全事業年度の売上高が100億円以上の者
    • 東京都特別区及び政令指定都市において店舗面積3000平方メートル以上の店舗、またはその他の市町村において1500平方メートル以上の店舗を有する者

  • 納入業者
  • 大規模小売業者が販売する商品を納入する事業者但し、その取引上の地位が当該大規模小売業者に対して劣っていないと認められる者を除く。要するに、納入業者に対して大規模小売業者が、その規模等において優越的地位を有する者に限るということでしょう。

今回のケースは、スーパーマーケットとその納入業者との間の取引が対象でしたので、大規模小売業告示に該当するか否かが問題となりました。
この告示は、独占禁止法上の不公正な取引方法に該当する取引形態を規定するもので、この告示に該当すれば、独占禁止法違反に問われます。

ここで一応、不公正な取引方法とはなんなのかを確認しておきましょう。この点は、ビジネス実務法務検定試験3級公式テキストの記述を引用したいと思います。
不公正な取引方法とは、それ自体は競争を直接制限していなくても、公正な競争を阻害する可能性のある行為をいい(独占禁止法19条・2条9項)、正当な理由がないのに不当に、あるいは、正常な商慣習に照らして不当に取引が行われた場合に違法となる。独占禁止法は、不公正な取引方法として、次の6種類を定めている。

  1. 不当な差別的取り扱い
  2. 不当対価取引
  3. 不当な顧客誘因および不当強制
  4. 不当拘束条件付取引
  5. 取引上の優越的地位の不当利用
  6. 競争者に対する不当妨害

ビジネス実務法務検定試験3級公式テキスト2007年度版299ページ

不公正な取引方法については、このように独占禁止法が非常に抽象的な規定のしかたをしながら、具体的な違反行為を公正取引委員会による告示の形で示すという形式がとられています。ですから、独占禁止法違反になるか否かは、公正取引委員会による告示にまでさかのぼって検討しなければなりません。

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