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2007.10.12

NOVA中途解約の返金進まず、給料遅配も続く

10月9日のYOMIURI ONLINEでNOVA問題をまとめた記事がありました。

NOVAについては、非常に多くの問題が指摘されております。
ここでは、これらの問題を取り上げてNOVAを糾弾する!というスタンスではなく(NOVAには、昔お世話になりましたしw)、それぞれの問題に法律上、コンプライアンス上のどのような問題が内在しているかを簡単にまとめたいと思います。
ビジネス法務を学ぶという意味では、非常によい事例だと思います。



NOVA中途解約の返金進まず、給料遅配も続く
NOVAは契約時に将来、受講する予定のレッスン料を前払いするシステムをとっているため、中途解約時に多額の返金が生じるケースがある。
同社によると、中途解約時に受講生に不利な清算方法をとっていたことを違法とする最高裁判決が今年4月に出てから、中途解約が急増。3月末の受講生は41万8000人だが、4~6月の中途解約件数は7880件で、返金総額は16億2200万円に上った。
6月には、いつでもレッスンの予約がとれるとする虚偽の説明や、入学金免除のキャンペーンで誇大広告などの特定商取引法違反があったとして、経産省から一部業務の停止を命じられ、その後も中途解約の申し出が続いている。
東京都内の消費者センターには6月から、「解約したが、3か月以上たっても返金されない」といった苦情・相談が少なくとも数十件あった。全国の消費者センターにも同様の相談が相次いでいるという。(中略)
中途解約に伴う返金の期限に法的な定めはないものの、都はできる限り早く返金するよう同社を指導している。外国人講師らが加盟する「全国一般労働組合東京南部」(東京都港区)と「ゼネラルユニオン」(大阪市)も9日、すみやかな返金をNOVAに指導するよう経産省に申し入れる。(以下略)
YOMIURI ONLINE 2007年10月9日


  • 中途解約時の不利な清算方法
  • この点については、過去のエントリNOVAの元受講生、「解約返金少なすぎる」と集団提訴もご覧いただきたいと思います。

    簡単に事実の概要を述べますと・・・
    NOVAでは、1レッスンにつき1ポイントが必要で、契約締結時にそのポイントを先に購入するという形態をとっています。そのポイントには利用期限が付されておりますので、その利用期限が経過する前にポイントを残して解約する場合には、まだ使用していないポイント分は、お金を返してもらえると思うのが普通ですよね。ですから、常識的には、ポイントを一括購入する際に支払った額(=ポイント単価×ポイント総数)から、既に消費したポイント総数に相当する額(=ポイント単価×消費したポイント数)を差し引いた残額を返してもらえると考えるでしょう。

    ところが、この「ポイント単価」というところにカラクリが仕掛けられていたようなのです。
    NOVAでは、購入するポイント数が多いほどポイント単価が安くなるという制度をとっています。たくさん買ってくれる場合ほど、単価を下げるという仕組みですね。
    それで何が問題かというと、元受講者は自分が購入した場合に適用されたポイント単価で計算して残額を返せと主張したのに対し、NOVAは、それより高額のポイント単価で既に消費した分を控除したのです。当然、元受講者に返ってくるお金は変わってきますね。
    このような契約の定め方は、特定商取引法に違反して無効であると最高裁判所が判決を下した(平成19年4月3日)ため、中途解約が増加したようです。

  • 虚偽誇大広告
  • 「いつでもレッスンの予約が取れる」とか「入学金免除キャンペーン」などの宣伝広告についても、特定商取引法違反を理由に経済産業省から行政処分が下されているようです。確かに、ワタシもNOVAへの入学金を支払った覚えはありません。パンフレットなどには、キャンペーン期間中に月入学金20,000円(だったような気がします)が免除されるという記載があったと思いますが、逆に、入学金を支払わなければならないときがあるのか・・・なんだか、常にキャンペーン期間中のような気がしないでもありません。

  • 受講料をクレジット決済した場合
  • 入学時にポイントをまとめて購入する際、クレジット会社を介して分割払いにすることもできます。ワタシの時も、そんな説明を受けました。

    クレジット契約の分割払いでレッスン料を支払っている人は未受講分が返金されない場合、クレジット会社の請求を拒否できるが、現金で前払いした場合は返金を待つ以外にない。

    原則的な理屈からいけば、受講者とNOVAとの間で締結される契約と、受講者と信販会社との間で締結される契約は別個のものですので、仮にNOVAとの契約を中途解約したからといって、クレジット会社に対して毎月支払うという義務が当然に消滅するわけではありません。実際は、NOVAから解約返金を受けて、それをクレジット会社に支払い、一括清算してしまうんでしょうけどね。
    だから、NOVAとの契約を中途解約した元受講者が、NOVAに清算を請求しているのにNOVAがそれをいつまでも支払わなかったら、元受講者は、その間もクレジットの支払いを継続しなければならないことになります。特に、NOVAと元受講者との間で訴訟が提起されでもしたら、その裁判が終わる頃には、既にクレジットの支払が終わってしまっているかもしれませんね。金利だけでもバカになりません。
    で、そういうことがないように、クレジット契約の原因となった取引(この場合はNOVAと元受講者との受講契約)で、ナニカ問題が生じた場合には、クレジット会社に対する分割払い金の支払を一時的に止めてもらうよう請求することが認められています。支払停止の抗弁といわれる制度です(割賦販売法30条の4、30条の5)。

  • 従業員への給料の遅配
  • これはもう、ビジネス法務とかいう問題ではなく・・・
    経営者として、もっともやってはいけないことじゃないかと・・・。
    従業員への給与の支払いについては、労働基準法が詳細に規定しています(労働基準法24条)。


これだけ問題が続出する要因が何なのか、真相はわかりませんが、少なくとも経営陣の意識の中にコンプライアンスやCSRという考え方が希薄であるような気がします。

NOVAは、語学学校といわれることがありますが、その実態は株式会社であり営利企業ですから、金儲けを追及すること自体は何も悪いことではありませんね。
しかし、それを突き進める結果、法律を独善的に解釈してしまったり、受講者、従業員、外国人講師などの利害関係人(ステークホルダーなどとも呼ばれます)の利益を軽視してしまっては、企業活動はまともに立ち行かないんだと思います。

NOVAをめぐる諸問題が、どこに不時着するのかは、現時点ではマッタクわかりません。しかし、経営陣の意識を転換しない限り、根本的な解決には至らないんじゃないでしょうかね。
ということで、これからもNOVAには注目していきたいと思います。


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