ご存知の通り、船場吉兆は賞味期限切れの商品をラベルを張り替えて販売するなど、JAS法・食品衛生法違反行為を行っただけでなく、牛肉の原産地を偽装して商品を販売したとして、不正競争防止法違反に問われ、ついに刑事事件に発展しました。
次の報道は、消費・賞味期限改ざんが明るみに出た後、牛肉の偽装が行われていたことを隠蔽するために牛肉商品の販売を取りやめるよう販売会社に依頼していた疑いがあるという趣旨のものです。
船場吉兆取締役、偽装牛肉「販売中止を」・菓子不正の発覚直後
「船場吉兆」(大阪市)の牛肉の産地偽装事件で、湯木喜久郎取締役(44)が今月初め、得意先の東京のギフト販売会社に電話で「すべての牛肉商品の販売をやめてほしい」と依頼していたことが17日分かった。デザート類などの消費・賞味期限改ざんが相次いで発覚した直後で、大阪府警は、牛肉の不正隠ぺいが目的だった可能性もあるとみている。
NIKKEI NET 2007年11月17日
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吉兆といえば、高級料亭として余りにも有名です。船場吉兆(せんばきっちょう)という社名はあまり耳覚えがなかったのですが、「あの吉兆と関係があるんだろうな」という感じは持ちます。
この点、Y's WEBSITEにて、おーちゃん氏がエントリするところによれば・・・
「船場吉兆」以外のグループ会社は、「吉兆」からのれん分けされたというだけで、経営は別ということですから、「船場吉兆」の起こした問題で迷惑がかかっているかもしれません。
船場吉兆本店を捜索 by Y's WEBSITE(おーちゃん氏)
・・・として、たとえ厳密には経営が別だとしても、おそらく他の吉兆グループも今回の一連の不祥事の余波を受けることになるかもしれないことを示唆しておられます。
船場吉兆の湯木取締役といえば、問題発覚後の記者会見で「すべての違法行為は現場で行われていることであって、経営陣は関知していない」という趣旨の発言をし、現場のパートや従業員との間で事実関係を巡り対立しているようです。
この点は、先ほども引用させていただいたY's WEBSITEの別のエントリ「船場吉兆、取締役が指示〜表示改ざん問題で〜」にて詳細に触れられています。
どうも一連の報道を見ていると、船場吉兆の経営陣(おそらく湯木取締役に限ったことではないのでしょう)は「老舗」というものを勘違いしているようです。
法的責任の有無は、企業の知名度や規模はほとんど問題となりません。つまり、有名であろうと無名であろうと、法令違反を行えば「違法」であることに変わりはなく、一定の手続きに従って法的責任を追及されることとなるでしょう。
しかし、コンプライアンスの観点からは、こういった法的責任のほかに「社会的責任」が重視されるといわれています。コンプライアンス上の社会的責任とは、企業に蓄積した消費者や世間一般の信用が失墜し、企業イメージが損なわれることを意味します。その結果として、消費者がその企業の商品を購入しなくなり業績が急激に悪化したりします。
こうした社会的責任は、実は無名の零細企業よりも規模が大きく、または歴史のあるいわゆる老舗において大きいといわれているんですね。企業不祥事を報道する側にとっても、老舗であればあるほど、ニュースバリューがありますから、ちょっとした違法行為が明るみになったのを皮切りに、「他にも違法行為がなされているのではないか」ということで、更なる取材がなされ、次々に違法行為が発覚するといったことにもなります。
そのような意味からも、不祥事発覚後の船場吉兆の対応は、非常にまずいものだと思われます。
他の食品表示偽装をした企業などは、例えば「コンプライアンス委員会」のようなものを設置し、不祥事防止に努める姿勢を強調しながら次のステップに進んでいますが、船場吉兆が今後どのような対応をしてくるか注目したいと思います。
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