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2008.03.20

過度な利益追求の大きな代償【ミートホープ事件、元社長に懲役4年の実刑・札幌地裁判決】

昨年(2007年)に相次いだ一連の食品表示に関する偽装事件の発端となったミートホープ社による牛肉偽装事件がとりあえずの結末を迎えたようです。

ミートホープ事件、元社長に懲役4年の実刑・札幌地裁判決
北海道苫小牧市の食肉加工販売会社「ミートホープ」の食肉偽装事件で、不正競争防止法違反(虚偽表示)と詐欺の罪に問われた元社長、田中稔被告(69)の判決公判が19日、札幌地裁であり、嶋原文雄裁判長は懲役4年(求刑懲役6年)の実刑を言い渡した。
NIKKEI NET2008年3月19日

この件については、昨年(2007年)の10月にミートホープ社長逮捕へ 虚偽表示容疑 詐欺も立件方針というエントリでミートホープ社の社長らが立件されたという記事を紹介しました。
このエントリでは、社長の田中稔社長ばかりでなく、工場長経験者2人も立件されるとされていますが、今回の記事では社長の有罪のみが報道されています。工場長経験者であるという社員2名の判決はこれから下されるのだと思います。

容疑は不正競争防止法違反罪および詐欺罪。

詐欺罪については、詳しい説明は不要だと思います。
人をだまして不正に財産を得る行為が詐欺罪に該当します(刑法246条)。

刑法246条
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

この点は、上記記事でも報道されています。
起訴状によると、田中被告は昨年6月までの約1年間、豚や鶏などを混ぜて製造したミンチ肉を「牛100%」などと表示し、取引先十数社に計約138トンを出荷。北海道加ト吉(北海道赤平市)など3社から販売代金約3900万円をだまし取った。

ミートホープ社による食品表示偽装事件は、我々一般人の感覚からは消費者を欺く行為という感覚があるのですが、法律上は、ミートホープ社の取引先寺う北海道加ト吉を欺いてその販売代金を騙し取ったと構成されるのですね。

さらに、不正競争防止法違反罪についてNIKKEIの記事では「虚偽表示」とされていますが、以前のエントリでも触れている通り、おそらくこれは原産地等誤認惹起行為(不正競争防止法2条1項13号)に該当するものと思われます。
不正競争防止法2条1項13号
商品若しくは役務若しくはその広告若しくは取引に用いる書類若しくは通信にその商品の原産地、品質、内容、製造方法、用途若しくは数量若しくはその役務の質、内容、用途若しくは数量について誤認させるような表示をし、又はその表示をした商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供し、若しくはその表示をして役務を提供する行為

それにしても、あまりにも利益追求を追い求めすぎると、大きな代償を払わなければならないことになるのですね。
ミートホープ社の事件は、この後も末永く人々の記憶にとどめられることでしょう。

この事件について社長(及び他の経営者)が刑事責任の追及を受けることは同情の余地はありません。
しかし、経営者の指示の下に仕事をしていた多くの従業員もまた、有形無形の不利益を受け続けるのでしょう。

確かに、ミートホープ社の従業員もまた、加害者であるといえるかもしれませんが、その反面、被害者という側面も有しているような気がします。

上司の指示に基づいて業務を進めていくことは、企業が組織である以上、基本的なことではあります。
しかし、その指示が法令に違反していないのかどうかは、ここの従業員が、ある程度の知識に基づいて判断する必要があるのかもしれません。
たとえ上司の指示が絶対であったとしても、違法行為に加担した以上は、経営者とともにその責任を追及されることになるからです。

それはそれとして・・・

ミートホープ社の元従業員の方が、「ミートホープの元従業員」というレッテルを背負いながらも、力強く前進していることを示す報道がありましたのでご紹介します。
「正直コロッケ」販売へ、ミート社元従業員と大仁田さんがタッグ
食肉偽装事件で破産した北海道苫小牧市の食肉製造加工会社「ミートホープ」の元従業員5人が、大仁田厚・前参院議員と協力し、4月から、東京都内と札幌市、苫小牧市のスーパーなどで、北海道産食材を使った「正直コロッケ」を売り出す。(中略)
大仁田さんは6日、新千歳空港で記者会見し、「食品偽装問題が始まった北海道からいいものを届けることが重要」と意欲を見せた。会見に同席した元従業員の横岡リツ子さん(56)は「ミートホープの名を背負わなくてはならず、不安や怖さもあるが、新しい一歩を踏み出したい」と話していた。
YOMIURI ONLINE2008年3月6日

マイナスから再出発しなければならないハンデの大きさを抱えつつ生きていくことは大変だと思います。
でも、そのハンデに負けずにがんばって欲しいと思いますね。

ひるがえって、我々としては決して所属企業による法令違反行為に加担することがないように気をつけなければなりませんね。

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この記事へのコメント
いつもコメントをありがとうございます。
お返事が遅れて申し訳ありません。

happyさんのブログの更新頻度の高さ、エントリの質の高さには本当に脱帽です。
その筆の速さを少しでも見習って、私ももう少し更新頻度を上げなければと思っているのですが・・・^^;

これからも宜しくお願いします。
Posted by たきもと at 2008.03.27 10:53 | 編集
コメントありがとうございます。
お返事が遅れてしまい申し訳ありません。

ミートホープ社の事件は、われわれ消費者から見ればまったく言語道断のひどい事件だと思います。
また、より広い観点から見れば、あの事件以降、相次いで発覚した食品表示の偽装事件の発端となったものであって、消費者の食品に対する信頼を大きく失わせたという意味でも、長く記憶に止められるものだと思います。
ただ、あの田中元社長も、若い頃は非常に苦労をされていたようで、「会社を大きくしたい」という願いの強さから違法行為に手を染めてしまったんだと思います。

企業不祥事の多くは、「相手をだましてやろう」とか「違法行為をしよう」と考えて行われるのではなく、会社の利益を考えた末に起こるのだと思っています。

会社の利益を考えて仕事をすることは、会社経営者や従業員にとって、なくてはならないメンタリティですよね。その意味では、コンプライアンスの意識と利益を追求するという意識は車の両輪のように、ともに大切なことではないかと思います。

追伸
リンクありがとうございました。
これからも末永く宜しくお願いいたします。
Posted by たきもと at 2008.03.27 10:50 | 編集
たきもとさん、こんばんは
コメント有り難うございます。。感謝

>マイナスから再出発しなければならないハンデ・・・

ほんとに頑張って欲しいです。。マイナスでもいつかプラスに出来ると信じて。。(^^ゞ

また是非、お立ち寄りください。
お待ちいたしております。。

Posted by happy at 2008.03.25 00:30 | 編集
こんばんわ!
ブログリンクしていただきありがとうございます!
私もさせていただきます!今後ともよろしくおねがいします!

記事の内容も感動しました!
ミートホープの経営方針は最悪だと思います。
しかし、この経営を告発した従業員は
正しい方だと思います。

そんな方たちが、過去を背負いもう2度としませんと
前向きに立ち上がる姿は感動します。

何回も同じ事を繰り返す雪印は根本が変わってないのだと悲しくなります。
しかし、森永みたいに頑張っている会社があるから応援したくなります。

いい話をありがとうございました!
Posted by 優希 at 2008.03.24 20:44 | 編集
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