2008年特定商取引法の改正点(1) 2008/06/19に引き続き、特定商取引法の改正点をまとめておきます。

インターネットを通じたビジネスにとっても重要な法律ですので、少し詳しめに見ていきます。

特定商取引法の適用対象拡大
訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売について規制対象となる商品及び役務を政令で指定する方式を改め、原則全ての商品及び役務を規制対象とするものとすること。
特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案要綱(PDF)
今回の特定商取引法の改正により、訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売の規制対象となる商品等(商品・役務・権利)の制限が撤廃されました。

この改正以前の特定商取引法(この時点での現行法)では、政令で指定する商品や役務(サービスのこと)を扱う訪問販売などについてだけ、特定商取引法の規制が課せられていました。
具体的には、特定商取引に関する法律施行令別表1〜3に掲げられている商品やサービス等の訪問販売などに限って、特定商取引法が適用されていました。

ここで指定されている商品・サービスは多岐にわたります。
例えば商品については、58もの類型が指定されており(貴金属などは当然はいっていますが、「かつら」や「コンドーム」などもあります)問題となりそうなものはだいたい指定商品に該当します。

いずれにせよ、ここに掲げられていない商品やサービス(新手のものでしょうか)を訪問販売の方法で勧誘しても、消費者はクーリング・オフなどをすることができず保護されないことを意味します。
商品はともかく、サービスに関しては日々新たなものが編み出されているわけですが、訪問販売のように消費者の自宅を訪問するような方法でサービスの勧誘をする場合には、やはり一定の規制が必要になるものと思われます。
特に例えば、法の規制の網をかいくぐるために、特定商取引法で規制されないサービスなどを編み出す業者などについては、やはり規制の必要性が高いといえそうです。

おそらくそのような背景から、規制対象として政令で指定するのではなく、原則としてすべての商品・サービスなどを規制対象とすることとなったと思われます。

改正後でも特定商取引法が適用されない商品やサービス

ただし、これには重要な例外が定められています。
他の法律の規定によって訪問販売、通信販売又は電話勧誘販売について購入者等の利益を保護することができると認められる販売又は役務の提供等について適用除外を定めるほか、適用除外に係る所要の規定を整備すること。
特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案要綱(PDF)
具体的には、改正特定商取引法26条各号に掲げるものが適用除外となります。

例えば、同条3項には、次のような規定がなされています。
第九条及び第二十四条の規定は、次の販売又は役務の提供で訪問販売又は電話勧誘販売に該当するものについては、適用しない。
一 その販売条件又は役務の提供条件についての交渉が、販売業者又は役務提供事業者と購入者又は役務の提供を受ける者との間で相当の期間にわたり行われることが通常の取引の態様である商品又は役務として政令で定めるものの販売又は提供(以下略)
9条と24条の規定は、いわゆるクーリング・オフについての規定です。

つまり、事業者と購入者がじっくりと時間をかけて購入の是非を検討しあう取引(であって政令で定めるもの)であれば、購入者はクーリング・オフを行使できないと定めています。
具体的には、ディーラーから新車を購入する取引などがあたるでしょう。

何が具体的な適用除外商品・サービス等であるかは、まだ改正法に則った政令が制定されていないようなので明らかではありません。
企業としては「どのような勧誘方法が規制対象となるかわからない!」と憤るのではなく、規制対象となるかどうかにかかわらず、消費者視点での営業を心がけていくことが必要なのかもしれません。

提供しようとしている商品やサービスを末永く愛していただくには、やはり金儲け優先という姿勢では足下をすくわれることにもなりますよということですね。

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Author:瀧本 宏隆
30代 東京某所に勤務(研究職)
小さなシンクタンク(独立系)にてコンサルティング、社内教育プラン策定・実施、各種コンテンツの企画立案・執筆・編集など、様々な業務を行っています。
著作権、機密情報管理などを主な専門領域としています(が、駆け出しのため勉強中)。

最近は、IT系業務のプロセス管理手法に興味あり。

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